シワの原因は乾燥、という思い込み
オリビアには肌のトラブルの相談が多く寄せられます。新緑がまぶしい行楽シーズンに多いお悩みは、お顔のシワ。大人の女性でありながらシワがまったくない顔は、どこか不自然で魅力的とは言えませんが、いくら「人生の年輪」「大人の女性ならではの魅力」と言われても、実年齢以上に老けて見えたり、肌が荒れているように見えたりするのは女性にとってあまりうれしいことではありません。
相談を寄せる方のなかには肌の乾燥が原因なのではないかと思い込み、保湿をたっぷりして改善しようとする方も多いのですが、その最大の原因は乾燥でないことのほうが多いのをご存知でしょうか?
シワの種類にはいろいろあって、大きく次の3つにわけられます。
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「ちりめんジワ」
一般に「小ジワ」と呼ばれる浅く細かいシワ。乾燥が原因で、よく目元に見られる。冬場などには子どもにもできる。
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「表情ジワ」
顔の表情にそってできるシワ。表情が戻れば見えなくなるが、加齢や紫外線が原因で次第に戻らなくなり真皮のシワへと移行していく。
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「真皮のシワ」
表情を動かしていないのに額や目じりに刻まれているシワ。加齢や紫外線が原因で、真皮にあるコラーゲンが変性・減少することでできる。
このうち「ちりめんジワ」は、保湿ケアをしっかりすることで回復します。言い換えれば、乾燥が原因でできるしわは「ちりめんジワ」だけ。「表情ジワ」や「真皮のシワ」は、保湿では改善されないのです。
シワ対策は紫外線対策から
多くの女性を悩ませるシワは「表情ジワ」や「真皮のシワ」がほとんどです。そして、これらのシワは真皮にある繊維(コラーゲンとエラスチン)を増やすためのケアをおこなわないと改善は難しいと言われています。
コラーゲンの敵は加齢と紫外線です。40歳を過ぎると量が急激に減り、肌は弾力を失い固くなっていきます。さらに50歳近くになるとコラーゲンの再生はほとんどなくなってしまいます。
また、コラーゲンはただ減るだけでなく、紫外線による影響で変性もします。これらが進行するとコラーゲンのネットワーク構造自体が壊れ、くっきりとシワが表れる状態になります。これが真皮のシワの正体です。シワの発生を遅らせるためには、コラーゲンの変性を防いだりコラーゲン量を増やしたりするケアが必要なのです。
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シワができた肌
コラーゲンの減少や変性で、シワが発生する
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弾力のある肌
真皮にコラーゲンが十分にあり、肌の弾力が保たれている
残念ながら、誰も加齢を止めることはできません。けれども、紫外線対策なら可能です。1年中、晴れていても曇っていても、屋外はもちろん、車中や家の中でも忘れず日焼け止め効果のある下地やファンデーションを使用しましょう。
最近では、フェイシャルエクササイズ(表情筋エクササイズ)などで「表情ジワ」をのばすという方法も流行っていますが、すでに弾力を失っているコラーゲンは引っ張れることで伸びたり切れたりと、さらにダメージを受けることがあります。自己流のやり方だと、かえって真皮のコラーゲンを痛めてしまい、表情ジワをより深く刻んでしまうことになるなど逆効果になることもあるので注意してくださいね。